
外国人労働者の受け入れに新たな動き
政府は2024年5月20日、外国人労働者の在留資格である「特定技能」と「育成就労」の運用について検討する有識者会議を東京都内で開催しました。
これにより、受け入れ分野の拡大に向けた議論が本格的にスタートしました。政府は「特定技能」と「育成就労」の一体的な運用を目指しており、2024年12月には新たな「分野別運用方針」を決定する方針です。

「特定技能」と「育成就労」の違いと新展開
「特定技能」は、一定の専門性を有する外国人材の在留資格で、特に特定技能1号は16分野が対象です。一方で、現行の「技能実習」に代わり、2027年4月からスタート予定の「育成就労」は、自動車運送と航空を除いた14分野が対象となっています。
今回の会議では、これまでの分野に加え、人材不足が深刻な以下の3分野を追加する案が提示されました。
- 物流倉庫(物流管理を担当)
- リネン供給(ホテルや病院へのシーツ等の供給)
- 資源循環(廃棄物処分やリサイクル)
これにより、特定技能の対象分野は現在の16分野から19分野に拡大、育成就労もこれらの分野を含めた17分野での受け入れが検討されています。
「育成就労」の概要と期待
「育成就労」は、原則3年間の在留期間で働きながら技術を習得し、特定技能1号相当のスキルに到達することを目的としています。特に介護や農業、外食業などでは、技能実習2号と同等レベルの成長を想定。既存の「技能実習評価試験」の名称を「育成就労評価試験」に変更し、制度に活用する案も示されました。
有識者会議では、以下の論点が議論されています。
- 受け入れ分野・人数
- 必要な人材水準
- 外国人材の転籍(転職)可能期間
- 分野固有の特別措置
また、専門家会議においても分野ごとの技能評価試験の検討が進められています。
日本の人手不足解消に向けて
「育成就労」や「特定技能」の導入と拡大は、国内での人材確保や生産性向上に取り組んでもなお解消しきれない人手不足への対応策として進められています。
特に、物流、リネン供給、資源循環といった分野の追加は、日常生活や産業活動を支える基盤強化にもつながるでしょう。
今後の展開に注目!
政府は2024年12月に分野別運用方針を閣議決定する予定であり、今後も具体的な議論と制度設計が進んでいきます。外国人材の受け入れ制度がどのように進化し、日本社会や産業にどのような影響を与えるのか、引き続き注目が必要です。

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