
2026年1月20日、自民党の外国人政策本部が新たな政策提言案をまとめました。不法就労の取り締まり強化や、帰化(日本国籍の取得)要件の厳格化など、外国人採用を行う企業にとって見逃せない内容が盛り込まれています。本記事では、この最新の提言が現場の採用実務にどう影響するのか、そして企業が今から備えるべきポイントをわかりやすく解説します。
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自民党の新政策提言の概要
今回の提言は、2026年1月20日に自民党の外国人政策本部(新藤義孝本部長)が了承したものです。22日にも高市早苗首相へ提出され、1月27日に公示される衆議院選挙の公約にも反映される見通しです。
情報の根拠:
本記事の情報は、2026年1月20日付けの時事通信、産経新聞などの報道および自民党部会での発表内容を基に作成しています。
提言の背景には、訪日・在留外国人の増加に伴う「治安・安全保障への懸念」や「社会ルールの徹底」を求める国民の声があります。政府はこれを受け、23日にも関係閣僚会議を開き、外国人政策の基本方針をとりまとめる予定です。
3つの大きな柱を解説
提言は、主に以下の3つの視点で構成されています。
- 国民の不安払拭: 不法滞在や不法就労をゼロに近づける。
- 安全保障の強化: 土地取得や国籍取得のルールを厳格にする。
- 共生社会の実現: 日本語教育や自治体への支援を整える。
提言の目的と目指す姿
単に「厳しくする」だけではなく、ルールを明確にすることで「日本で正しく働く外国人と、それを受け入れる日本社会の双方が安心して過ごせる環境」を作ることが最大の目的です。
採用現場に影響する変更点
外国人採用を検討中、あるいは既に実施している企業の皆様にとって、最も関心が高いのは「採用実務への影響」です。特に以下の3点は今後の採用戦略に直結します。

帰化要件の厳格化
これまで日本国籍を取得する(=帰化する)ための居住要件は「5年以上日本に住んでいること」でしたが、今回の提言では、永住許可と同じ「原則10年以上」に引き上げることが検討されています。

これは、日本社会への深い理解と定着をより強く求める方針の表れです。長期的なキャリア形成を支援する企業にとっては、従業員のライフプランニング(人生設計)の相談に乗る際、これまで以上に慎重な情報提供が必要になります。
不法滞在者ゼロへの目標
提言では「不法滞在者ゼロ」を目標に掲げています。具体的には、退去強制(ルール違反により国へ帰されること)が確定した外国人の数を半減させることや、国費による強制送還の予算を倍増させることが盛り込まれました。
企業が意図せず不法就労に関与してしまった場合、企業の社会的信用を大きく損なうだけでなく、罰則の対象となるリスクがあります。

医療費の未払い対策
訪日外国人や在留外国人が医療機関を利用した際、医療費を支払わずに済ませてしまう「ただ乗り」問題への対策も強化されます。
現在のルール: 未払い額が20万円以上の場合、情報システムに登録される。
新しい提案: 未払い額が「1万円以上」になれば登録対象とする。
このシステムに登録されると、その後の入国審査や在留資格(ビザ)の更新に悪影響を及ぼします。企業としては、従業員が適切な公的医療保険に加入しているか、受診時のルールを理解しているかを確認しておくことが、安定した雇用を守ることに繋がります。
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企業が注意すべき不法就労リスク
不法就労対策の強化により、企業にはより高度な「確認義務」が求められるようになります。

在留カード確認の重要性
不法就労の多くは、偽造された在留カードを使用して発生します。今回の提言では、これら偽造カードを利用した不法就労への対応を強化することが柱の一つとなっています。在留カード確認のチェックポイント
- 原本確認: 写真コピーではなく、必ず実物を確認してください。
- ICチップの確認: 出入国在留管理庁が提供している「在留カード等読取アプリケーション」などを活用し、カードが有効か確認します。
- 就労制限の有無: 裏面の「就労制限の有無」欄を確認し、自社での業務が可能かチェックします。

知らなかったでは済まない法的リスク
「不法就労助長罪(ふほうしゅうろうじょちょうざい)」という言葉をご存知でしょうか。これは、不法就労であることを知らなかったとしても、確認を怠って雇用した企業や担当者が処罰される可能性がある厳しい法律です。
今回の提言により、当局の取り締まりの目はさらに厳しくなると予想されます。「うっかり」が大きな経営リスクにならないよう、採用プロセスの標準化が急務です。

外国人との共生を支える新制度
一方で、今回の提言には「日本で頑張る外国人を応援する」ための前向きな支援策も多く含まれています。

日本語教育の新プログラム
外国人が日本の言葉や社会の制度、ルールを学ぶための「包括的な学習プログラム」の創設が掲げられました。
注目すべきは、この「プログラムの受講状況や理解度を在留審査で活用する」という点です。つまり、真面目に日本語を学び、日本のルールを理解しようとする姿勢が、ビザの更新や取得においてプラスに評価される仕組みです。
企業にとっては、福利厚生の一環として日本語学習の機会を提供することが、従業員のビザ安定、ひいては長期雇用に繋がるメリットとなります。
自治体への支援拡充
外国人児童が急増している地域や、積極的な受け入れを行っている自治体への予算支援が強化されます。
これにより、以下のような変化が期待できます。
・地域の日本語教室の充実。
・外国人向け相談窓口の多言語化。
・住民トラブルを防ぐための地域ガイドラインの整備。
企業が所在する自治体の支援体制が整うことは、採用後の生活サポートの負担を軽減してくれるはずです。
企業が今から準備すべきこと
この提言は、近いうちに具体的な法改正や運用ルールの変更として現れます。人事・採用担当者が今から取り組むべきアクションをまとめました。
在留カードの確認手順は明確になっていますか?偽造チェックアプリの導入や、ダブルチェック体制を整えましょう。
医療費未払いがビザに影響するようになります。入社時に、日本の健康保険制度や、受診時の支払い義務について丁寧に説明しましょう。
新しく創設される「日本語教育プログラム」の情報を注視し、従業員が活用できるように準備しておきましょう。
自社の現状に不安がある、あるいは具体的な手続きの方法が知りたいという方は、専門家への相談も一つの手段です。

外国人採用はお気軽にご相談ください。
まとめ:最新情報を採用戦略の武器に
今回の自民党の提言は、日本が「外国人を受け入れつつ、秩序を守る」という姿勢をより鮮明にしたものです。一見、ルールが厳しくなったように感じられますが、これは「正しく雇用し、正しく働く」企業と個人が報われる社会を作るためのステップでもあります。
最新の動向を把握しておくことは、リスクを避けるだけでなく、優秀な外国人人材から「信頼できる会社」として選ばれるための強みになります。
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