特定技能2号をめぐって、2026年8月から運用が立て続けに変わりました。方向性の違う2つの改正が同時に走っているので、整理しておきます。
ひとつは審査の厳格化。もうひとつは手続負担の軽減です。
改正①:業務内容に関する誓約書が必須に
- 適用:2026年8月20日以降の特定技能2号の在留諸申請
- 追加書類:業務内容に関する誓約書
- 趣旨:指導・工程管理など熟練した技能を要する業務に実際に就いていることの確認
- リスク:記載と実態が食い違う場合、在留資格が取り消される可能性
経緯はこうです。入管庁は2026年8月5日、特定技能2号について「指導・工程管理など熟練技能を要する業務」に従事する必要性を明示しました。これを受けて8月20日から運用要領・申請届出様式・提出書類一覧表が一斉に更新。さらに9月10日には「特定技能制度に関するQ&A」にQ102が追加され、誓約書の扱いが明確化されています。10月1日には提出書類一覧表が再び改定されました。
ここが引っかかる
2号は「熟練した技能」を前提とする在留資格です。ところが実態としては、1号のときと同じ作業を続けているケースが珍しくありません。誓約書は、そのズレを企業の名前で否定する文書です。
ひらめきくん「とりあえず2号に上げておこう」で通していた企業ほど、ここで止まります。
作成前に整理しておくこと
- 誰を、どの範囲で指導しているのか
- どの工程について、どこまで管理の責任を負っているのか
- その職務が職務分掌や辞令に反映されているか
書類をそれらしく整えることではなく、実際の職務設計を2号の水準に合わせることが本筋です。順番を逆にすると、更新のたびに苦しくなります。
改正②:在留期間に「5年」が追加
法務省は2026年8月4日、省令改正により特定技能2号の在留期間区分に「5年」を追加すると発表しました。従来は「3年・1年・6か月」の3区分で、最長でも3年ごとに更新が必要でした。
本人にとっては、住宅ローンの審査や家族の生活設計で効いてきます。企業にとっても、更新のたびに発生していた事務が減ります。
ただし、更新の回数が減るということは、間違いに気づくタイミングも減るということです。日常的な在留管理——各種届出の履行、業務内容と申請内容の整合——の重要度はむしろ上がります。




2027年4月までのスケジュール
- 2026年8月20日〜|2号の在留諸申請で業務内容に関する誓約書が必須
- 2026年9月10日|Q&AにQ102を追加、誓約書の扱いを明確化
- 2026年10月1日|「特定技能」提出書類一覧表を改定
- 2027年4月1日〜|2号の全員と1号の自動車運送業(バス・タクシー)・鉄道運輸係員区分で日本語B1相当以上(認定証明書交付申請から)
- 2027年4月1日〜|1号の支援責任者に養成講習の修了が必須
長く働いてもらうための制度に寄っている
在留は長くなり、審査は厳しくなる。一見すると逆方向ですが、どちらも「本当に熟練した人材に長く働いてもらう」という一点でつながっています。
2号への移行を目的化せず、職務と処遇を先に整えること。結局のところ、それが審査の通過率と定着率の両方に効きます。申請の前には、必ず最新版の様式と提出書類一覧をご確認ください。
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」「特定技能制度に関するQ&A」、法務省省令改正(2026年10月時点)
.png)







