特定技能に新しく加わった3分野のうち、受入れ規模が最も大きい物流倉庫の実務ルールが固まりました。
国土交通省は2026年9月18日、物流倉庫分野の「特定技能外国人受入れに関する運用要領」を公表。同じ日に、出入国在留管理庁でも物流倉庫分野の要領別冊が制定されています。制度の枠ができてから約8か月、ようやく動き出せる段階です。
2026年に追加された3分野
- 物流倉庫:11,400人|倉庫内での荷役・ピッキング・梱包など
- リネンサプライ:4,300人|ホテル・病院・介護施設向けのシーツ、タオル等の洗濯・仕上げ
- 資源循環:900人|廃棄物の選別・中間処理など
この3分野が2026年1月23日の閣議決定で追加され、特定技能の特定産業分野は計19分野になりました。2024年の改正で12分野から16分野に広がったのに続く拡充です。
ひらめきくん物流倉庫の11,400人は、新3分野の合計の約7割。ここが本命と見ていい数字です。
物流倉庫分野で確認すべきこと
「従事できる業務の類型」が示された
今回の運用要領の肝は、外国人材が従事できる業務の類型が具体的に示された点です。特定技能は分野の中のどの業務に就けるかまで決まっている制度で、範囲外の仕事をさせると在留資格上の問題になります。
倉庫業務といっても、荷役、仕分け、ピッキング、梱包、流通加工、事務と幅があります。自社の実際の作業がどこに当たるのか、運用要領と突き合わせるところが出発点です。
特に見ておきたい論点
- フォークリフト等の運転を伴う作業の扱い
- 入出荷事務やシステム入力をどこまで任せられるか
- 繁忙期に他部門の応援へ回すことの可否
なぜこの分野が選ばれたのか
EC市場の拡大に加え、いわゆる「2024年問題」でドライバー不足のしわ寄せが庫内作業に及んでいます。日本人の採用だけでは回らない現場が増え、受入見込数11,400人という数字につながりました。
受入れを検討する企業の準備リスト
- 自社の業務が、運用要領の業務類型に該当するかを確認する
- 分野別協議会の加入要件と、加入のタイミングを押さえる
- 技能評価試験・日本語試験の実施スケジュールを確認する(新3分野は整備中の項目あり)
- 10項目の義務的支援を、自社で行うか登録支援機関に委託するかを決める
- 2027年4月から必須になる支援責任者の「養成講習」への対応を織り込む
3番目は注意が必要です。新3分野は2026年9月時点で在留者数の計上がなく、試験日程が未公表の項目も残っています。試験がないと人が入ってこないので、ここのスケジュールが実質的な制約になります。




制度はまだ動いている
2026年9月9日には第14回有識者会議が開かれ、2027年4月の育成就労制度開始に向けた分野別運用方針の改正準備も始まりました。物流倉庫は育成就労産業分野にも関わってくる可能性があり、2027年に向けて条件が追加される余地があります。
現時点で確定しているのは、業務類型と受入見込数まで。試験や協議会の運用は随時更新されるので、所管省庁と入管庁の公式情報を定期的に見ておくことをおすすめします。
出典:国土交通省「物流倉庫分野 特定技能外国人受入れに関する運用要領」、出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月時点)
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