アフリカ人材採用|メリット・デメリット・受け入れのポイントを解説

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今後、日本で活躍の場が拡がることが予想されているアフリカ人材。まだまだ日本では少数ですが、労働者不足が常態化している西欧諸国では既に数多くの優秀なアフリカ人材が採用されており、社会に貢献しています。

外国人を雇用することに興味はあるものの「日本から遠く離れたアフリカの人材を採用するなんて想像できない」と考える方は多いのではないでしょうか。今回は、アフリカ人材のメリットとデメリット、共に働く上で押さえておきたい注意点、そして日本とアフリカの切っても切れない関係、などについてまとめました。アフリカ人材確保の一助となれば幸いです。

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アフリカ人材の現状

アフリカ大陸には、国際的に承認された国が54カ国あります。それぞれ人種・社会・文化・宗教などが違うため「アフリカ人」と一括りできませんが、ここでは便宜上アフリカ大陸に暮らす人のことを「アフリカ人」と表します。

2024年12月現在、日本で暮らすアフリカ人は54カ国合計で25,283 名。そのうち技能実習生は、ガーナから「技能実習1号ロ」の資格で来日している1名のみです。

建設業に従事する若者で、謙虚に技術を学ぶ姿勢が高く評価されています。この成功事例を受け、アフリカ人数名が農業分野の技能実習生として2025年後半に来日する予定です。

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アフリカ人材の今後

アフリカ人材は今後確実に増える見込みです。円安が続く日本は相対的に給料が低くなるため、アジア各国の人材から選ばれなくなりました。特に農業建設業などの分野でアジア人材が定着しない現状があり、それに代わる人材としてアフリカが注目されているのです。

アフリカの人々にとって日本の給料は、たとえ円安であっても魅力的です。

製造業の一般的なワーカーの月給

エチオピアの首都で16USドル(約 2,400円)
ガーナ54USドル(約 8,100円)
エジプト199USドル(約 29,850円)と報告されています。

※1ドル150円で計算

一番水準の高い南アフリカの首都は1500USドル(約 225,000円)を超えていますが、それはほんの一部に過ぎません。

高度な教育を受けても満足な職が無いアフリカの若者は、専門外である農業や建設業であっても、仕事を得れば謙虚な姿勢で臨むと評判です。アジアの人口は今後頭打ちになると予想されていますが、アフリカ大陸は世界で最も若い人口が多く、今後も増加する見込みです。

若く優秀なアフリカ人材を継続的に確保できるため、雇用が安定すると考えられます。

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アフリカ人採用のメリット・デメリット

アフリカ人を採用するときに気になるのが、メリットとデメリット。遠いアフリカからわざわざ呼び寄せるメリットはあるのか。また、どんなデメリットがあり、どう対処するのか。あらかじめ想定しておくことで、受け入れ準備を整える事ができるでしょう。

メリット

アフリカの若者を受け入れるメリットは、コミュニケーションがとりやすいこと、問題解決能力が高く、仕事に真面目に取り組むこと、優秀な人材を継続して雇用できることなどです。ひとつひとつ見てみましょう。

コミュニケーションがとりやすい

アフリカ大陸には何千種類もの民族が暮らしており、それぞれ固有の言語が使われています。知らない言語でコミュニケーションを取るのは困難なのでは、と多くの日本人は感じるかもしれません。しかし実は、アフリカ諸国は一国にいくつか公用語があり、その中に必ずと言っていいほど英語やフランス語などが含まれているため、実は日本人にとってコミュニケーションのハードルが低いという事実があります。

受け入れる事業所側にとって、馴染みの無い現地語を使うアジア人材よりは、英語やフランス語で資料を作成できるアフリカ人材のほうが準備もしやすいでしょう。

英語やフランス語などが公用語になっている背景には、アフリカ諸国がかつてヨーロッパの植民地として搾取されていた歴史があります。その影響で、現在でも学校教育や行政などが英語やフランス語で行われているため、ある程度教育を受けた人々は英語やフランス語が堪能なのです。

多言語社会で暮らすアフリカ人は、部族語、公用語、英語やフランス語など、いくつもの言語を使い分けて生活しています。家庭では部族語、学校では英語やフランス語、職場や市場などでは現地公用語などを使うのです。それに加えて各宗教の言語もあり、例えばイスラム教徒はアラビア語を学んでいます。

アフリカには何千もの民族が暮らし、それぞれ言語や文化が異なります。すぐ隣に異文化がある暮らしに慣れているため、新しい言語や知らない文化に対する抵抗が無く、日本語や日本文化に順応しやすいと考えられています。

問題解決能力が高い

アフリカの人々は、問題に直面すると何とかして解決しようと試みます。材料が無くても身近なものを駆使して作り上げ、情報が無ければ人的ネットワークを活用して収集します。また、新技術を取り入れる柔軟性や、速やかに実用化してしまう技術力も世界的に評価されています。

例えば…

ルワンダの人々はICT (情報通信技術)を取り入れ、様々なインフラが未発達なことで起きる金融や輸送、医療などの問題を解決しました。電子マネーがどこでも使え、ドローンが空を飛び交っています。ドローン専用空港があり、血液製剤も24時間体制で輸送可能。GPSを駆使してドローンを時速110㎞で飛ばし、様々な物資を各地に送り届けています。

また、ケニアは携帯電話普及率120%を超えたと言われており、サバンナで暮らすマサイ族さえも太陽電池でスマホを使っています。この状況は、アフリカの他の国々も同様です。

仕事に真面目に取り組む

アフリカの若者にとって、日本で仕事を得ることはとても大きなチャンスです。自国で得る給料の何倍も日本で稼ぐことができ、新しい技術も習得可能。

専門外の農業や建設業であっても真面目に取り組み、日本人から信頼を得る努力を惜しみません。アジアの人材が行きたがらないような遠隔地であっても喜んで赴くでしょう。

継続的に優秀な人材を採用できる

アフリカの高等教育進学率は9%と、世界最低水準です。アフリカでは、努力を惜しまない優秀な若者だけが大学に進学することができます。しかし、無事卒業できたとしてもまともな職は無く、失業率は60%とも70%ともいわれる深刻な状態です。

アフリカのガーナで日本への技能実習生を募集すると瞬く間に数多くの優秀な学生が応募してきた、という事実もあり、人的資源の豊富さと求職している若者の多さが伺われます。アフリカでは、優秀な人材を継続的に採用することが可能です。

悪徳な送り出し機関が殆ど無い

現在、アフリカには日本への送り出し機関があまり見られません。今のところ人材の送り出しに政府が大きく関わっているため、選ばれる人材は質が高く、選ばれる本人も志を持って来日します。

その一方、アジア各国には様々な送り出し機関が乱立しており、悪徳業者も多いと言われています。多額の借金を背負わされて技能実習生となる者が散見され、失踪したり犯罪に手を染める原因のひとつと言われていますが、今現在アフリカにはその心配は無いと言えるでしょう。

デメリット

メリットの多いアフリカ人材ですが、デメリットもあります。日本の文化習慣がアフリカとは違うこと、日本特有の曖昧さが通じない事、そして送り出し機関が未発達であること、などです。

アフリカとは違う日本の文化習慣

日本には独特な文化習慣があります。インターネットが発達し、アニメなどで日本の生活様式が世界に発信されていますが、実際に暮らすと戸惑う外国人は多いようです。

生活様式も価値観も大きく異なるアフリカ諸国から来た若者もまた、日本での生活に困惑することが考えられます。職場で、生活の場で、細かい指導が必要なのはデメリットと言えるでしょう。

日本特有の曖昧さが通じない

日本人同士は「察する」ことができますが、外国人には難しいもの。日本特有の曖昧さはアフリカ人には通じないため、イエス・ノーをはっきり伝えることが重要です。受け入れ側が頭を切り替える必要があるため、デメリットと言えるかもしれません。

送り出し機関が未発達

アフリカ諸国では今のところ、日本への送り出し機関が発達していません。民間の悪徳業者がおらず政府の関与が大きいことは、前述の通り良い人材を得るメリットです。

しかし日本から連絡が取りにくく、情報を得ることも難しい現状はデメリットのひとつ。今後は体制が整い、アフリカ人材の受け入れが円滑になることが期待されています。

アフリカ人採用の注意点

日本から1万キロメートル以上離れ、社会も文化も人種も大きく異なるアフリカの人々。生活様式の違いや日本独特の文化に戸惑うことが多いと予想されます。遠いアフリカから人材を採用する場合、どのような点に注意するべきでしょうか。

コミュニケーション

アフリカの人々は多言語文化で育っているため言語習得能力が高く、日本語の上達も早いと考えられます。しかし、日本語で問題なく意思疎通できるまでに、かなりの時間が必要です。受け入れる側は、日本語をはっきりと短く発音し、ひらがなや図を書いて説明するようにしてください。また、母国の公用語である英語かフランス語を使うと、より理解してもらいやすいでしょう。

話すときは最後まではっきりと発音すること。曖昧な言い方を避け、はっきり伝えましょう。「どっちでもいい」「適当に」「だいたいこのくらい」などの指示は戸惑いを与えるだけなので、明確に数や量を伝達してください。

生活

アフリカは日本から1万キロメートル以上離れており、人種的にも社会的にも大きな隔たりを感じます。日本人がアフリカに行ってカルチャーショックを受けるのと同様、来日するアフリカ人もあまりの生活様式の違いに大きなカルチャーショックを感じることでしょう。

時間を守ること、室内では靴を脱ぐこと、部屋では騒音を出さないこと、ゴミの分別方法、入浴の仕方やトイレの使い方など、着任した時に細かく教え、ガイドブックや貼り紙などを準備してください。宗教の礼拝、食事内容、服装なども細かく打ち合わせておくと、その後の摩擦が小さく済みます。いつでも何でも相談できる職員を決めておくことも必要です。

宗教

アフリカの主な宗教は、イスラム教とキリスト教です。サハラ砂漠より北の国々はイスラム教が主流で、サハラ砂漠以南の国々はキリスト教が数多く分布しています。宗教それぞれに礼拝方法や食生活などが違うので、事前にしっかり打ち合わせて対応しましょう。

アフリカには数多くの民族が暮らしており、それぞれ土着の信仰が存在しています。7世紀にイスラム教が誕生して間もなく、アラブの商人たちが北アフリカにイスラム教を伝えました。

また、ヨーロッパの植民地支配が始まると、サハラ以南アフリカに様々な宗派のキリスト教が定着しました。もともとは民族ごとに土着の信仰がありましたが、イスラム教やキリスト教を受け入れ、そして自分たちの信仰をミックスさせて独特の文化を形成しています。

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日本とアフリカの関係

遠く離れた日本とアフリカ諸国ですが、実は私たちの暮らしはアフリカ諸国に支えられており、とても密接な関係にあります。国際会議の場においてもアフリカは重要視され、発言力も高まっています。日本にとってアフリカは、戦略的にも重要なパートナーなのです。

アフリカのお陰で生活が成り立っている日本

日本は、アフリカ諸国のおかげで生活が成り立っていると言っても過言ではありません。

携帯電話やゲーム機等に使われているレアメタル、カカオ豆やコーヒー豆など様々な食料品、魚介類、酒類、化粧品、花卉、蚊取り線香の除虫菊、金銀プラチナや宝石類、天然ガスやガソリンなどの資源等々、多くの分野がアフリカ諸国からの輸入に頼っているのが現状です。

戦略的なパートナーシップ

日本はアフリカ諸国と、戦略的にも良好な関係を築く必要があります。国連に加盟している国は193カ国。そのうちアフリカ54カ国は4分の1以上を占め、大きな勢力となっています。日本と同じ価値観を共有する国を増やすために、あらゆる働きかけを行う必要があるのです。

現在、かなり多くの中国資本がアフリカに進出しており、各地で大規模な開発事業を行い一帯一路構想を実現しようとしています。また、ロシアの影響が強く残る地域が存在しているのも事実です。アフリカ諸国が日本とは違う価値観を持ってしまうと、国際会議の決議で日本側が不利となり、国際秩序が保たれなくなる恐れがあります。

また、国際秩序を無視するような国々がアフリカの地下資源を狙っており、すでに多くの開発に着手しています。日本に敵対する国が資源をコントロールすることにつながるため、日本への輸出価格が法外に吊り上がったり、ストップされてしまうことにもなりかねません。日本はアフリカ各国で存在感を示す必要があるのです。

ODA

日本は対アフリカ援助の拡充を70年代から続けています。ほとんどすべてのアフリカの国を対象に、インフラ整備など大規模開発から医療・教育・コミュニティ開発などに至るまで様々な事業を実施。アフリカ諸国が自立し、持続可能な発展ができるよう支援しています。

アフリカでは中国の支援が多く、日本の存在感が薄れた時もありました。しかし中国による援助はひも付きが多く、賄賂などで政府が腐敗してしまうこと、そして中国が建設し与えたアフリカ連合本部ビルに盗聴器が数多く仕掛けられていたことが判明するなど、中国の援助が問題視されつつあります。やはり日本の援助が自分の国のためになる、と考える国も多くなってきました。

アフリカ開発会議(TICAD)

東西冷戦の代理戦争の舞台となっていたアフリカは、1990年代初頭の冷戦終結とともに放り出され、国際社会から忘れ去られた存在となりました。荒廃していくアフリカを助けようと、世界で初めて声をあげた国が日本だったのをご存知でしょうか。

日本政府は、1993年にアフリカ開発会議(TICAD:Tokyo International Conference on African Development)を開催しました。その目的は、世界から置き去りにされたアフリカに寄り添い、国際社会のアフリカへの関心を呼び戻すことです。

TICADは、日本とアフリカ諸国、そして国連や世銀、アフリカ連合などのステークホルダーが一堂に会し、アフリカで起きている様々な問題解決を促す重要な国際会議となりました。技術移転だけでなく民間投資も促進し、アフリカ経済の成長に貢献しています。日本とアフリカ諸国の間にあるのは、対等なパートナーシップ。当初は5年毎に日本で開催されていましたが、2016年からは日本とアフリカで交互に開催されています。

貿易

2024年、日本からアフリカ諸国への輸出総額は1兆3,107億円でした。その殆どが自動車や船舶、一般機械や鉄鋼など。アフリカからの輸入総額は1兆3,724億円で、鉱物資源・天然ガス・食品などでした。

アフリカの鉱物資源や天然ガス、農産物や魚介類などにより、日本の生活が支えられています。アフリカ諸国では日本車が走り、日本の技術も根付いています。日本とアフリカは資源と技術を補い合っていますが、TICADによって「貿易から投資へ」という流れになりつつあり、共に経済成長を目指す深い関係となりました。

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まとめ

アフリカのGDPは、54カ国合わせても日本の7割ほど。高スピードで経済発展しているとはいえ、若者の失業率は高いままです。少子高齢化と円安が進行している日本は、アジア人からは魅力が無くなってしまい、選ばれない国になりつつあります。そんな日本を救うと考えられているのがアフリカの若者たち。とても優秀で、採用のメリットがいくつもあります。日本の職場に、柔軟で新しい視点をもたらしてくれるでしょう。

出入国在留管理庁:【在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表】
外務省:日本とアフリカ
JETRO:日本とアフリカの貿易動向
JETRO:アフリカのワーカー月額賃金は世界最低水準、アディスアベバ16ドル、ラゴス31ドル
JICA:日本とアフリカ間における国際頭脳循環の促進
FORBES Japan:課題解決力で日本を凌駕、世界が注目するアフリカの「優秀な人材」

この記事の監修者

プロフィールカード
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キャリアアドバイザー
秦 秀斗

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。

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